管理部110番 - 貸付債権を現物出資する方法について


		ようこそゲストさん

07/03/19 00:31　回答者：

坂元　英峰さん

　こんにちは。

　仰る内容は、所謂デットエクイティスワップ（DES）というものです。対象会社に対する貸金債権を、現物出資の目的とするものです。出資者にとっては追加キャッシュアウトを要せず、株式を取得することができ、対象会社としても負債を圧縮して資本を増加せしめるもので、財務体質の改善を図ることができるものです。

　しかし、必ずしも自由にできる訳ではなく、当然に現物出資に関する規制が及ぶことになります。例えば、原則として裁判所の選任する検査役により、貸金債権の価値等を調査してもらう必要があります。要は、無価値な貸金債権を過大に評価するという不適切な現物出資を防止する規制がある、ということです。

　ただ、弁護士や公認会計士等に価格が相当である旨の証明書を発行してもらえれば、この検査役選任は不要となります。但し、この場合にも費用はかかります。
　後に価格不相当と判断されることになった場合、証明した専門家にも填補等の責任が生ずる可能性がありますので、安易には受けにくい仕事であり、受けるにしても応分の費用を請求されると思います。10万や20万という訳にはいかないでしょうね（安価で受ける専門家は、制度や責任の重さを理解していない可能性があり、却って危険ではないかという気がします）。

　おそらくこのような小規模ではないものとは思いますが、現物出資の額が500万円以下であれば、取締役の責任において現物出資を行うことも可能ではあります（規制緩和の一環）。

　証明書の書式、登記手続等、具体的な手続については、ここで網羅して書くことは差し控えたいと思います（そもそも、無料でご提供できる内容でもありませんので……）。顧問弁護士、税理士に相談されつつ、慎重に進められたほうが良いと思います。

　これは余談ですが……。
　いつも不思議に思うのですが、皆さん、顧問弁護士には相談されないのでしょうか。重要な問題であればあるほど、無料Q&Aでお茶を濁そうとするのではなく、皆さんの契約されている顧問等に相談されるべきではないかと思います。

　素朴な実務上の疑問などは、正にこういう場での情報交換が必要であり、望まれるのではないかと思うのですが……。

この回答へのお礼：

ご回答・アドバイス有難うございました。
ご意見参考にさせていただいて、顧問弁護士、税理士に相談してみます。

貸付債権を現物出資する方法について

当社子会社について、決算までに財務内容を改善するよう銀行から指摘されています。
　増資をするにしても当社（親会社）には出資すべき現金や特に現物出資できる価値ある財産がありません。
　ただ、子会社に対する貸付金が膨らみ、貸付債権を有しています。
　貸付債権を出資の目的とすることができるそうですが、その場合の手続について教えて下さい。

2007/02/01 14:04　質問者：soumuさん

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